(レポート) SPOT301: AWS Infrastructure Innovation at Scale Creating Capacity from Beginning to End
はじめに
川原です。
re:Invent 2015において発表されたAWSの「インフラ」に関するセッションを紹介します。
概要
タイトル:AWS Infrastructure Innovation at Scale Creating Capacity from Beginning to End 講話者:Jerry Hunter, VP of Infrastructure
本セッションでは、データセンター効率化の観点でAWSの特徴や工夫点が述べられています。
AWSの信条
AWSの信条の要素は以下です。
- 信頼性
- 低価格
- オンデマンドキャパシティ
そして、この要素は次の図のような好循環を生み出します。
データセンターの要素
データセンターには以下のような要素があります。本セッションでは、電力源、ネットワーク、サーバーに関して掘り下げます。
- Land(土地)
- Power(電力源)
- Construction(工事)
- Networks(ネットワーク)
- Server(サーバー)
電力源のスケール
Amazonが作る再生可能エネルギー
風力発電
太陽光発電
効率的とは?
NRDC(The Natural Resources Defense Council)によると、オンプレ用のデータセンターはクラウド用のデータセンターと比較すると、その使用率は23%にしかならない。
Annual Uptime Institueによると、クラウド用のデータセンターはエンタープライズ用のデータセンターと比較すると、PUE1の値が71%まで下がる
クラウド用データセンターは電力の観点で84%削減しています。
ネットワーク
従来のネットワーク
従来のネットワーク環境は以下の通り、効率的ではありません。
- 複雑なハードウェア、ソフトウェア
- 不要な特徴による負荷
- バグが多く、その修正やパフォーマンス改善に時間がかかる
- 複雑なことはコストがかかること
専用ネットワークの必要性
専用ネットワークの長所
- レイヤー毎にシンプルなデザイン
- ハードウェアもソフトウェアも不要な特徴による負荷はない
- シンプルなソフトウェアはハードウェアの量も少なくすむ
- シンプルであることはよりコストがかからないこと
AWSの専用ネットワーク
- AZ間をDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重方式)で結ぶ
- 1つのリージョン内に82864本の光ファイバーを敷く
- AZ間の通信の遅延時間は2ms未満、通常は1ms未満
- AZ内のピーク時通信容量は25Tbps
- トランジットセンターへの冗長パスの存在
- トランジットセンタは次と接続
- 異なるリージョンへの専用線
- AWS Direct Connectを使用する顧客への専用線
- ピアリング、ペイドトランジットを介したインターネット環境
サーバー
従来のサーバー
従来のサーバーは以下の通り、効率的ではありません。
- 大多数のために最適化されたOEM製品
- 不要な特徴を伴う一般的なデザイン
- 複雑であることは高コスト
- 高価な分散ネットワーク
カスタマイズの必要性
専用サーバーの長所
- メモリー、HDD、CPUというコンポーネント製造メーカーと直接やりとりする
- 特定の負荷のために最適化されたデザイン
- 不要な特徴に苛まされないハードウェアとソフトウェア
- 高い使用率
まとめ
個人的にはネットワーク、サーバーの部分のアーキテクチャについて、もう少し詳細に知りたかったなという所はあります。 また、スライド自体はプレゼン用に作成されたと思われ、かなり文章が省略されていた感があります。 そのため、行間を読みながらレポートを記載しており、誤読している箇所があるかもしれませんが、その点はご容赦を。
- データセンターやサーバー室のエネルギー効率を示す指標の1つ。PUEは,データセンター全体の消費電力を,サーバーなどのIT機器の消費電力で割った値であり、1.0に近いほど効率が良いと言える。前者は,サーバーやストレージ,ルーター,管理用端末などのIT機器の消費電力に加えて,空調装置,電力設備,照明装置,監視装置などが消費する電力を含む。(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20080512/301289/ より抜粋して引用) ↩